がいらいしゅ(外来種)ってなあに?

生きものを「逃がさない」「移動させない」をテーマにした紙芝居です。
ある日、街のはずれでひとりの博士が池を覗いてました。

博士「この池にはウシモツゴという魚が住んでいたんじゃが、最近まったく見かけないのぉ」
博士「ワシが小さい頃は色んな魚がたくさんいて、それはそれは楽しい遊び場じゃった。しかし、今ではそれもほとんど居なくなってしもうた。ついに、この池にもヤツらがはいってきてしまったのか…」

博士はとても悲しそうです。
一体何が入ってきてしまったのでしょう?

博士「それはな……」
博士「……外来種じゃ!」

大きな口で在来種たちを次から次へと食べてしまっています!!

在来種「きゃーー逃げろーー」ばくっ
博士「このままではウシモツゴも昔から居た魚たちも居なくなってしまう〜!!早くどうにかせねば!!」

??「まかせろ!」

博士「あ、あなたは……!」

網を持ったお兄さんがやってきました。

シュバッ!シュバッ!シュバッ!
外来種をどんどん捕まえていきます!

外来種「うわーーーー!」
博士「ふぅ〜これで一安心じゃな」

在来種「助かったー!ありがとう!」

みんな喜んでいますね。よかった、よかった。その中で1匹ウシモツゴくんがなんだか不思議そうにしています。どうしたのでしょうか?

ウシモツゴ「でも、どこから外来種は入ってきたんだろう?ずっとここに暮らしていて1度も見た事がなかったのに。」

博士「うむ。いいことを聞いてくれた。」
博士「実は……人間のせいでここに入ってきてしまったんじゃ。」

ウシモツゴ「ええ!!?」

博士「ざんねんじゃが釣りをする人や生きものを飼っている人の中には、外に生きものを放してしまう人がいるんじゃよ。大きくてカッコイイ魚を釣るためや、途中で飼いきれなくなって可哀想だからと放してしまったんじゃろうな。」

こうして人の手によって移動させられた生きものたちのことを外来種といいます。
外来種「急に知らない場所に連れてこられたと思ったら突然また捕まえられるなんて……なんでこんな目に。」

博士「人間に連れてこられてしまった外来種さん達も、実はとっても悲しい思いをしていたんじゃ。」
博士「しかし!可哀想だからと何もしなければ、この池に住んでいた魚たちはどんどん減って、最後には全く居なくなってしまう。そうなれば二度と会えなくなってしまうかもしれないのじゃ。だから、入ってきた外来種を放っておくことは出来ないのじゃ。人間のせいなのに申し訳ない……」

自分勝手な行動はたくさんの生きものを悲しませてしまうんですね。

博士「そんな悲しい外来種を増やさないためには、どうしたらいいと思うかい?」
博士「生きものは、

にがさない

移動させない

ことが大切なんじゃ!」
博士「逃がさないと言うのは、生きものを飼育するなら最後まで責任もって飼うということじゃ。1度飼い始めたらぜったいに外に逃がしてはダメじゃよ。どれくらい大きくなるのか、長生きするのか、エサはどうするのか、もし万が一飼えなくなった場合引き取ってくれる場所はあるのか飼う前にしっかり調べるのが大切なんじゃ。」
博士「移動させないと言うのは、生きものを違う場所に連れて行って放さないということじゃ。それぞれの場所に昔から住んでいる生きものたちがいるんだ。ぜったいにほかの場所に移動させないようにしよう。もちろんお店で買った生きものも放してはだめじゃよ。」
博士「どうだい外来種というものが分かったかな?生きものを悲しませないためにも、ひとりひとりが責任もって行動しよう!まかせたぞ!」